京都の歴史ある寂光院と苔寺 を歩く
寂光院
京都北にある大原のバス停を降り案内板に従って田園の中を15分ほど入った
ところに寂光院があります。上に向う石段を登り切ると山門がありくぐれば本
堂に至ります。寂光院は尼寺です。
京都洛北の大原の里に佇む寂光院は気持ちを落ち着かせ癒しを与えてくれる大
原の里の寂光院、京都の街中の喧騒を離れどこか寂しさを感じさせるのですが
好きな場所の一つです。
悲劇の母・清盛の次女建礼門院
壇ノ浦で源氏に追い詰められた平家でしたが、その時清盛の次女で安徳天皇の
母の建礼門院が我が子安徳天皇と入水されたという話でしたが、母の建礼門院
は源氏の侍に引き上げられ、後に寂光院で壇ノ浦で滅亡した平家一門と幼く逝
った我が子安徳天皇の菩提を弔い、終生をこの地で過ごしたといわれています。
このように平清盛の娘である建礼門院が、平家滅亡後隠棲された所であり、また
『平家物語』ゆかりの寺としても知られています。
聖徳太子が建立したといわれていますので、1400年以上もの歴史が包み込まれ
ています。本殿は2000年に放火で焼失し今あるのは再建された建物です。
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本堂の前には汀の池があります。汀の池についての当時の後白河法皇がお忍びで
建礼門院を訪ねられた時に読まれた時の一首が残っています。
「池水に汀の桜散り敷きて波の花こそ盛なりけれ」
建礼門院のことを思い、波で平家が破れた壇ノ浦の海を、盛は建礼門院の父、平
清盛の盛を表しているとか。後白河法皇の心遣いが心に響く歌です。
後白河法皇が訪れたときの寂光院は荒れ果てていて、建礼門院の京都での華やか
し頃のことを思い皆涙したと伝えられています。
建礼門院も
「思ひきや深山の奥に住まひして 雲井の月をよそに見んとは」
華やかな都で眺めたあの月を、このような深山の奥に住みながら眺めるとはと
自身の寂しき境遇を歌っています。
諸行無常の鐘
汀の池の傍には平家物語の冒頭に歌われている、後年に建てられた諸行無常の鐘を
見ることが出来ます。
「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり
沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす
おごれる人も久しからず、唯春の夜の夢のごとし」
御朱印
御朱印をいただきましたが、「本尊地蔵菩薩」 と書かれていました。
寂光院の庭園は、奥深く青々と草木が茂ってひっそりとしていてあわれに似た美しさ
を感じるのは壇ノ浦で滅亡した平家一門の菩提を弔ってきたお寺という意識があるか
らでしょうか。
南蛮鉄の雪見燈籠
庭園には豊臣秀頼の寄進で桃山城にあったものを移したという南蛮鉄の雪見燈籠があ
り、又本堂手前左手には平家物語に語られる諸行無常の鐘楼があります。私が行った
時も訪れている人も少なく、それが逆に静かな雰囲気を味わえて寂光院らしさを感じ
られました。
アクセス
京都駅前
京都バス 17系統で「大原」下車徒歩15分
京阪電車「出町柳駅」前から京都バス10系統・16系統・17系統
市営地下鉄「国際会館駅」から京都バス19系統
京都苔寺
苔寺の正式な名は 西芳寺と言います。奈良時代の行基の開創と伝えられている古寺です。
拝観料が京都のお寺ではずば抜けて高い3000円ですが風流さを味わえるのは確かです。
約120種の苔が境内を覆い、緑のじゅうたんを敷きつめたような美しさから苔寺と呼ば
れているのを実感します。庭園は上下二段構えになっていて、上が枯山水で、下は池泉
回遊式で黄金池は「心」の字を描いています。庭園内の茶室・湘南亭は、重要文化財に
指定されています。
拝観は事前申し込みが必要
拝観当日券はありません、事前に申し込みが必要です。往復葉書では2ヶ月ぐらいまえか
ら拝観申し込みができますので、混んでいるシーズンはなるべく早めにお申し込みになる
ことをオススメします。
御朱印と拝観のイベント
苔寺の御朱印をいただく際には、500円の料金がかかります。
私の行ったときはコロナ前でしたが、拝観のイベントは、2部構成になっていて、第1部
は、本堂にはいって般若心経と坐禅和讃をを3回唱えます。その後般若心経を写経しまし
た。久しぶりに毛筆で、般若心経二百六十余文字を書き写すので筆先に集中し無心になれ
るひとときでした。
写経を終えると第2部に入り庭の拝観が許されます。
約120種の苔が境内を覆い、緑のじゅうたんを敷きつめたような庭園はさすが見事で苔寺
の名に恥じない情景でした。
西芳寺にはAppleの元CEOの故スティーブ・ジョブズがお忍びで訪れられたそうです。
鈴虫寺が目の前
隣接して鈴虫寺があります。時間がなくて入ることが出来ませんでしたが、門前にわらじ
を履いた一つだけ願いを叶えに来て下さるお地蔵さんがおられましたのでお祈りだけして
来ました。機会があったら鈴虫を見に行く予定でいます。
アクセス
京都駅から
京都バス(73系統)で約60分「苔寺・すず虫寺」下車、徒歩3分
タクシーで約20分(2,500?3,000円程度)
嵐山方面から
阪急電鉄京都線
「桂駅」下車、タクシーで約12分(1,200円程度)